あぁ消防団17
私は緊張している。
半端ない。
緊張の理由は来たる11月3日。
私の所属する消防団の分団による秋季消防演習が行われるからだ。
去年までこんな緊張はなかった。
緊張の理由は立場が変わったこと。
今年度から分団の部長となった私。
秋季消防演習では「小隊長」をしなくてはならない。
つまり「小隊長デビュー」という訳。
今までの私は小隊における構成員のひとり。
指揮官の号令通りに行動すればよかったが、今度はその「小隊」を指揮しなくてはならない。
初めての事ゆえの緊張なのだ。
指揮される側は、命令に従っていればいいので気持ち的に余裕もあるが、指揮する側となれば次の号令、次の動作、つまり演習の流れを読みながら先、またその先を考えての指揮、行動を求められる。
これは大変な役職。
我が分団は、訓練時に二つの「小隊」を編成。
もう一つの小隊を指揮する部長は私よりキャリアのある先輩幹部。
そして、この二つの小隊で一つの「中隊」編成となるのだが、
そこには「中隊長」なる指揮官が存在する。
「小隊長」よりも任の重い「中隊長」。
訓練当日の中隊長は私より年下であるが、実は彼も今回が初めての中隊長である。
彼は私よりもっと大変な中隊長という立場のデビューとなる。
そんな彼に比べれば私の緊張など小さいものであろう。
私よりずっと重責な立場にデビューする彼の存在を思うことが、今の私が少しリラックスできる唯一の方法かもしれない。
当日は通常点検、中継送水訓練というプログラム。
とにかく、この一週間は先日もらった資料の内容と、本番における自分をイメージしよう。
これ以上の緊張を自分に課すことは許されない。
歴代の部長もみんな経験してきた事じゃないか。
ここは気合いである。
今日はこんなひとりごと