あぁアナログ盤2
午前中は仕事だったのだ。
天気もあまりよくなかったから、屋外がからむ仕事をする私としては晴れた日より なんとなく気が晴れない。
仕事帰りの車。
「仮面ライダー」の変身ポーズのように連続して動くワイパーに催眠術をかけられた私は、滅入る気持ちの中で帰宅。
溜め息が求めていた。
滅入っている心が求めたのは活力ではなく、柔らかいひと時のようだ。
素朴な柔らかさを求めてアナログ盤にそれを託した。
ジョージ ウインストン 「オータム」
春まっただ中だがオータムなのである。
ジョージ ウインストンのピアノは柔らかく私を包み込むはず。
回るターンテーブルが、天気の悪さ、風の強さ、滅入った気持ち、
そんなものを少しづつ忘れさせてくれるようだ。
ジャケットを手に取る。
また同じことを思い出してしまった。
自分が小さいということ。
柔らかなひと時を求めたはずなのに、結局、小さく、いじいじしてる自分に気づき滅入る。