あぁカセットテープで反面教師
最近、若者たちの間でカセットテープがじわじわとブームになってるらしい。
私のようなオッサンには驚きなのだが、現代人にとっては見た事のない珍しいモノなのだろう。
デジタルデータ化の時代に「磁気で録音」するカセットテープ。
これを「新感覚」と捉えたムーヴメントなのだろうが、オッサンが現代の若者に近づけるチャンスかもしれない。
ただし、調子に乗って、
「俺の昔のカセットを聴かせてやろうか」
こんなことはしない方がいい。
カセットに興味を持った若い人にとっては、そのレトロメカニカルなデザインや録音、再生の方式、再生音質が「新感覚」であって、オッサンが昔録音した内容なんかには興味がないのである。
あくまでもカセットテープそのものが魅力的であり、録音するにしてもその内容は現代の音源なのだ。
私を含め、オッサンはカセットが当たり前の時代に人間形成が終了しているので、本体より録音内容に重点を置いている。
カセットを利用して若者と距離を縮めたいあなた。
そこは十分注意したほうがいいと思う。
でもせっかくのブーム再燃。
当時のカセットテープはレコード同様、ある意味文化財である。
再生はさせなくても、視覚的な点から楽しむのはいいかもしれない。
オッサンには懐かしく、若い方々には新しい。
こんな感覚でどうだろうか。
TDKの商品「MA‐XG」
いわゆるメタルポジションで使用するカセットテープ。
本体全面がクリアなケース覆われ、フレームがダイキャスト製である。
当時一番の高級カセットだった。ダイキャストフレームなので重量もある。
この重みで機械的な振動を吸収して、安定した録音、再生ができた。
「TRA‐3」
カセットによる新譜カタログ。まさにカセット全盛期の産物。
富田ヤン、高橋幸宏ら当時ホットなアーティストが紹介されているが、なぜか岡本太郎、大屋政子の名前がある(笑)
今となっては不思議な逸品である。
あがた森魚が在籍してた伝説のグループ「ヴァージンVS」
ニューミュージックがニューウェーブなエレポップに毒され始めた時代の音源。
音楽がいろいろフュージョンされつつあった時代を感じる。
「音版 ビックリハウス」
ビックリハウスという雑誌から派生したカセット。
Y・M・Oファンならたまらないメンバーが参加したが、内容的にはメチャクチャな企画。
こんなテキトーなものが堂々と販売できた時代が懐かしい。
シングルカセット 「吐息でネット」 南野陽子
レコードのEP盤的な商品。
これを買ったのは私が20歳くらい(笑)
南野陽子よりも曲にピピッときて購入した思い出がある。曲、アレンジは絶品だと今でも思う。
「ザ・ベスト」 Y・M・O
今でも逃げられないYMO呪縛を私に与えたバイブル。
高校生時代に手に入れて以来、私に影響を及ぼし続けている1本なのだ!
いいですか、皆さん。
調子に乗ってこのようにグタグタ若い方々に説明してはいけませんよ!
冒頭でも申した通り、カセットテープがあなたと現代人との距離を今以上に大きく遠ざけることになります。
今日の私は反面教師なのですよ。
わかりましたね。
それではまた。